
あなたの周りに、
摂食障害かもしれない大切な人はいませんか??
摂食障害は、心理的背景に『痩せたい』という強い思いを抱えていることが多い病気ですね。
しかし、単に、『ダイエットに関する問題行動である』ということだけではありません。
摂食障害というのは、精神的にも身体的にも悪影響を及ぼし、日常生活に支障を来したり、ときには命に関わる問題となったりする病気です。
今回は、こうした摂食障害の特徴について書きつつ、
さらには、見た目や食べ方などによってチェックすることができる兆候(サイン)などをまとめました。
かんたんな診断テストとしても、良かったら参考にされてみてくださいね。
摂食障害とは?特徴には何があるの?

まず、摂食障害は2つに大別され、
- 拒食症(食べない)
- 過食症(食べ過ぎ)
があります。
摂食障害は、単に食欲に異常があるとか、食べる行動に異常があるというだけではありません。
体重に対して強いこだわりがあったり、体重や体形が自己評価に強く影響したりといった、心理的な要因がある病気なんですよね。
そして、摂食障害は大きく2つに分けられていて、
- 拒食症(神経性無食欲症)
- 過食症(神経性大食症)
に分類されています。
どちらにも、自分で嘔吐を誘発する行為を伴っている場合があり、食行動を中心として様々な問題があらわれる病気です。

難しい専門用語が出てきましたが、
わかりやすくご説明いたしますね♪
拒食症(神経性無食欲症)の特徴とは何??
拒食症では、『太ること』に対して強い恐怖心を抱き、その肥満への恐れから、様々な問題行動があらわれます。
実際には体重が減少しているのにもかかわらず、体重の数値に強く固執していたり、身体の一部の変化に強く執着をしたりといった場合が多く、栄養不足の進行に伴い身体的にも様々な悪影響があらわれます。
また、体重が減少していても痩せるための行動をやめることができず、食事制限や自分で嘔吐を誘発する行為、下剤を乱用するなどといった様子が見られます。
一方で、隠れ食いや盗み食いなどの行動がみられる場合もあります。
また、そういった様子から、周囲の人や医療機関などで拒食症であることを指摘されても、「太りたいと思っている」などのような痩せたい願望があることを主張したり、肥満への恐怖心を否定したりする発言がある場合も少なくありません。
拒食症を否定する発言がありながらも、実際には痩せるための行動を『止めることができない』といったことなどから、診断されることも多いようです。
逆に、過食症(神経性大食症)の特徴はどう??
一方、過食症(神経性大食症)では、『むちゃ食い(たくさんの食べ物を詰め込むような一気食いのこと)』を繰り返したり、それを解消するために自分で嘔吐を誘発する行為をしたりします。
また、過度の食事制限や、絶食などの極端なダイエット行為を行い、体重が増えることを防止する行為が見られます。

短時間に大量の食事を摂り、食事摂取に関するコントロールが失われていることが特徴ですね。
しかし、体重は標準体重であったり、増えていたりすることもあります。
むちゃ食いなどの自分の行為に対して、強い後悔や罪悪感を抱えており、時に自傷行為や自殺企図、アルコールや薬物の乱用などが見られることもあります。
摂食障害の兆候(サイン)をチェック!!

摂食障害には、いくつかの特徴的な兆候が見られます。
摂食障害が重症になると、生命に危険を生じる場合もあり、早期に治療を始める方が治療をより効果的に進められるでしょう。
つまりは、早期発見が大切であるとされています。
拒食症(神経性無食欲症)の兆候はこれらをチェック
- 短期間に急激に体重減少がある
- 体重が増えることに恐怖心がある
- 体重減少し、痩せていてもダイエットをする
- 目標体重に到達しても新たな目標をを立て、ダイエットを継続する
- 痩せていても自分の外見に満足せず、太っていると思う
- 生理不順、生理が来ない
- 盗み食い、隠れ食いがある
- 食べ物に強い興味がある
- 食事に強いこだわりがある
- 過度な運動をする
- 自分で嘔吐を誘発する行為がある
- 下剤を乱用する
- ゆううつ、イライラしていることが多い
- 自傷行為
こうした兆候(サイン)に気がついたら、心療内科や精神科、小児の場合には小児科などへの、早めの受診が必要になりますね。
過食症(神経性大食症)の兆候はこれらをチェック
- 体重が気になって仕方がない
- ダイエットしていても標準体重であることが多い
- むちゃ食いをする
- むちゃ食いを自分では止められない
- 盗み食い、隠れ食いがある
- 自分の行為に深く後悔する
- 罪悪感がある
- 生理不順
- 自分で嘔吐を誘発する行為がある
- 下剤を乱用する
- ゆううつ、イライラしていることが多い
- 自傷行為、自殺企図など
これらの拒食症(神経性無食欲症)の兆候や過食症(神経性大食症)の兆候には、ハッキリとこうというものではなく、共通することも多くあります。
摂食障害の症状をわかりやすく
拒食症(神経性無食欲症)の症状って何??
拒食症(神経性無食欲症)では、身体症状として、
- 身長が伸びない
- 疲れやすい
- 冷え性
- 眠れない
- 生理が来ない
- 体力の低下
- 足のむくみ
- 皮膚の乾燥
- 髪の毛が抜ける
などの症状が見られます。
また、心理的な症状としては、
- 人との関わり、交流を避ける
- 集中力の低下
- 仕事のミス
- 強いこだわり
- イライラ、ゆううつ
などの様子や症状が見受けられます。
過食症(神経性大食症)の症状
一方で拒食症(神経性大食症)では、身体症状として、
- 虫歯
- 唾液腺の腫れ
- むくみ
- 甲状腺が大きい場合がある
- ダイエットをしている様子でも、体重が変わらない、または増える
また、心理的な症状としては、
- イライラ、ゆううつ
- 衝動性がある
- アルコールや薬物の乱用をすることもある
などの症状が見られますね。
摂食障害のその他の症状
摂食障害では、自分で嘔吐を誘発する行為のほか、リストカットなどの自傷行為があらわれることもあり、また、万引きといった問題行動があらわれる場合も多く、本人や家族が精神的に追い詰められていく場合もあります。
そのため、本人の治療はもちろん、家族も含めた働きかけも大切になってきます。
自分で嘔吐を誘発する行為をしている場合には、手指に歯型や、いわゆる『 吐きダコ 』が見られます。
ここで挙げてきた摂食障害の症状は、どちらにも共通するような症状もあり、また、拒食症(神経性無食欲症)から過食症(神経性大食症)へと病気が変化していくこともあります。
BMIから見た摂食障害
BMIとは、体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数のことで、計算式は以下の通りです。
BMI=体重kg÷(身長m)²
適正体重=(身長m)²×22
拒食症(神経性無食欲症)をBMIでテスト
『体形~明らかに低体重』
BMI ⇒
- 17~18.4:軽度
- 16~16.9:中等度
- 15~15.9:重度
- 15未満:最重度
過食症(神経性大食症)をBMIでテスト
『体形~正常または、過体重』
BMI ⇒
- 18.5~25:正常
- 25以上:過体重
摂食障害の治療や治し方について
摂食障害の治療では、原則的には外来治療が行われますが、身体管理が必要とされる場合には緊急入院によって治療が行われる場合もあります。
摂食障害の治療では、低栄養によって危険が生じている場合には、栄養状態の改善や身体的な治療が行われます。
また、心の状態によって、抗不安薬や心の安定薬、抗精神病薬や抗うつ薬などといった薬物療法が行われることがあります。
薬物療法だけではなく、摂食障害の治療では面接や精神療法・心理療法などによって、心の苦しさに対する治療が行われます。
こうした治療に携わるのは医師だけではなく、カウンセラー・栄養士などの関わり方だったり、家庭や学校、職場などの本人を取り巻く環境の人たちとチームとなって、治療が進められていきます。
摂食障害に苦しんでいるのは本人だけではなく、家族も同様に苦しんでおり、一緒に暮らす家族が治療のキーパーソンとなっていくことも多いんですよね。
同じような病気で悩んでいる人たちの集まり(コミュニティーなど)もありますので、そうした様々な自助グループへの参加も勧められています。

だからこそ、家族を含めた働きかけが重要なんです。
摂食障害の経過・予後
摂食障害では、一般的には罹患(りかん)期間が長いほどに予後に影響を与え、身体的にも社会的・経済的にも損失が大きくなります。
※罹患期間とは、”病気に掛かっている期間” のこと。
家族関係が良好であることは、予後に良い影響を与える要因のひとつであると言われています。
反対に、嘔吐や下剤の乱用などの不適切な行為などは、予後に悪影響を与える要因であると言われています。
経過の中で、拒食症(神経性無食欲症)から過食症(神経性大食症)に変化することも少なくありません。
拒食症(神経性無食欲症)の経過・予後
拒食症(神経性無食欲症)は、ダイエットなどで痩せたいという思いをきっかけに発症することの多い病気ですが、
減量成功による達成感から極端な過度の食事制限を実施し始めたり、偏った食事にこだわったりなど問題行動に陥っていきます。
そうして低栄養の状態を招き、身体に危険を及ぼすこともありますね。
また、極端な食事制限の反動から過食をすることもあって、拒食と過食を繰り返していくケースも多く見られます。
低栄養による身体への影響は、生命の危険を招くこともあり、適切な治療を受ける必要がありますよ。
過食症(神経性大食症)の経過・予後
過食症(神経性大食症)では、ダイエットをきっかけに発症する場合や、拒食症(神経性無食欲症)の経過の中で発症する場合もあります。
ストレスなどによってヤケ食いを繰り返すようになり、そのことで自分で嘔吐を誘発する行為を伴う場合もあります。
体重は低めである場合から、適正体重の場合もありますね。
激しい嘔吐を繰り返す場合には、病気が長期化しやすいとも言われています。
うつ病やアルコールの乱用などが重なる場合もあり、適切な治療が必要となりますよ。
摂食障害についてのまとめ

重要ポイントを総括してみましょう!!
以上のように、摂食障害は大きく2つに分けられており、拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性大食症)に分類されているワケです。
本記事では、その症状や兆候について解説してきましたが、簡単におさらいをしておきましょう。
〈食べる行為について〉
- 拒食症(神経性無食欲症) ⇒ 食事制限・過度のダイエット・極端な偏食・盗み食いなど
- 過食症(神経性大食症) ⇒ むちゃ食い・食事制限・絶食・隠れ食いなど
〈排出する行為について〉
- 拒食症(神経性無食欲症) ⇒ 嘔吐・下剤の乱用など
- 過食症(神経性大食症) ⇒ 嘔吐・下剤の乱用など
〈問題行動について〉
- 拒食症(神経性無食欲症) ⇒ 自傷行為・万引きなど
- 過食症(神経性大食症) ⇒ 自傷行為・自殺企図・万引き・アルコールや薬物の乱用・衝動性など
〈体重について〉
- 拒食症(神経性無食欲症) ⇒ 低体重
- 過食症(神経性大食症) ⇒ 標準体重
〈生理について〉
- 拒食症(神経性無食欲症) ⇒ 生理不順・生理が無い
- 過食症(神経性大食症) ⇒ 生理不順
〈身体の症状〉
※身体的な症状は、生命に危険な兆候などを含め、様々な症状が見られます。
※生命の危機に対する早期の治療が必要な場合もあり、早めに病院へ受診することが大切です。
最後に・・・

いかがだったでしょうか??
摂食障害は、単にダイエットにまつわる問題行動というだけではなく、命の危険を伴うこともある病気です。
また、摂食障害は単に食欲に異常があるとか、食べる行動に異常があるというだけのものではなく、体重に対する強いこだわりなどの心理的な要因がある病気です。
自分で嘔吐を誘発する行為を伴っている場合があり、食行動を中心として様々な問題があらわれる病気でもあります。
本人だけではなく、家族や学校、職場など周囲の人たちとの協力体制も必要となり、様々な医療従事者によるチームでの介入が大切。
一人で悩んでいても解決は難しいことが多く、また、家族の関係性が病気の予後に影響を与える因子のひとつとされていることからも早めの治療や専門家による家庭への介入も重要です。
そして、今回お話した症状や兆候(サイン)は代表的なものであり、全てが当てはまることや、全て同じ症状であるかどうかで判断するものではありません。
少しでも思い当たることや、心配なことがある場合には、早めに病院(心療内科や精神科、小児の場合には小児科など)へ受診することが大切です。
本記事で述べた特徴を素人目線でチェックしても判断の精度はとても低いですし、プロフェッショナルによる診断テストを受けてくださいね。

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