
看護師が教える、
熱中症の初期症状チェックリストです。
いざ、熱中症になった時のために、どんな症状が起きるのかは知っておきたい。
熱中症の怖いところは、後遺症が残るケースもあること。
そこで、熱中症の症状が軽い段階で早めに対応できるよう、初期症状のチェックリストをまとめました。

加えて、わたしが企業内看護師だった時代の体験談もご紹介します。
もくじ
【軽度の症状】自分での応急処置が可能な初期症状

まずは、熱中症の初期症状をチェックしてみましょう。
熱中症が重症の場合には、救急搬送が必要になることもあり、とにかく予防をすることが一番大切です。
しかし、どうしても熱中症になってしまうケースは多いですよね。
でも、もしも初期症状の段階で早めに気がつくことができれば、適切に応急処置をすることもでき、後遺症などの難を逃れられる可能性もグッと高まります。
それでは、熱中症になった場合の症状や、対処方法などについてお話していきますね。
チェックリスト1 〈軽度の自覚症状〉
【軽度のチェックリスト】
- めまい
- 立ちくらみ
- 顔がほてる
- 大量の汗
- 筋肉がつる、こむら返り
などはあるかどうかが、初期症状のチェックリストです。
そして、もしもこれらの症状が見られるときは、次の対処方法にトライしてみましょう。
軽度の熱中症症状のときの対処方法
【軽度の対処方法】
- 涼しい場所で休む
- 衣服をゆるめる
- 身体を冷やす
- 水分+塩分の補給をする
特に、熱中症では脱水状態ですので、「 熱中症になった時の水分補給の方法 」について詳しく学ぶことをオススメします。
【中程度の症状】病院への受診または搬送が必要

続いては、中程度の症状のチェックリストです。
チェックリスト2 〈中等度の自覚症状〉
【中程度の症状】
- 頭が痛い(ガンガンする)
- 身体がだるい(倦怠感)
- 力が入らない(脱力感)
- 吐き気やおう吐がある
といった症状がある場合は、とても注意が必要です。
そして、病院へ行く or 搬送の有無を検討している間は、つぎの方法で休ませておくと良いでしょう。
中等度の症状のときの対処方法
【中程度の対処方法】
- 涼しい場所へ避難する
- 衣服をゆるめる
- 身体を冷やす
- 水分(塩分)の補給をする
- ただし、症状が強いときや自分で水分を摂れない場合には、速やかに病院へ行く
やはり、軽度であれ、中度であれ、涼しい場所の確保はとても重要です。
そのため、炎天下でのスポーツやレジャー、お仕事をされる場合は、あらかじめ涼しい場所を探して把握しておくことが大切。
体調不良になったら、即座に日陰などで休憩をとるようにすべきですね。
【重度の症状】搬送が必要

さらに、重度の症状ですが、
これはすでに救急搬送を
要請していることが望ましい…
チェックリスト3 〈重度の症状〉
【重度のチェックリスト】
- 意識がない
- 呼びかけに反応がない、反応がおかしい
- ひきつけ(けいれん)がある
- まっすぐに歩けない
- 自分で水分を摂れない
- 体温が高い
重度の症状のときの対処方法
意識がないことや、呼びかけに反応がない/反応がおかしい場合には、重度の熱中症と判断し、ただちに病院への搬送が必要となります。
速やかに救急車を要請し、指示に従いましょう。
(※もちろん、重度の症状が見られず、軽度~中程度であっても病院に罹ることは強くオススメしたい。)
こうした意識障害が見られる場合には、無理に水分を飲ませようとすることは避けましょう。
また、吐き気やおう吐がある場合にも、強制的に飲ませようとすると水分が気道に入ってしまいます。
ですので、「 熱中症になったら食事や飲み物はどうするべき?【正しい栄養補給の方法】 」の記事を参考にして、水分補給を実施してくださいね。
熱中症の様々な症状

他にもチェックリストとして覚えておきたい症状があります。
チェックリスト4 〈こんな症状も熱中症の危険〉
【その他のチェックリスト】
- ふいてもふいても汗をかく
- または全く汗が出ない
- 皮膚が熱い、赤い、乾燥している
- 言葉を話しにくい
熱中症の危険な症状が見られたら
↑のように、汗の異常や皮膚の異常、言葉の話にくさなども、熱中症の危険なサインです。
すぐに搬送が必要となります。

速やかに救急車を要請し、指示に従いましょう。
熱中症に注意が必要な人〈年齢や体調面のチェックリスト〉

事前によく注意すべき人の特徴もチェックしておきましょう。
つづいては、これから熱中症になりやすい人の特徴を書いておきます。
先にどんな人が熱中症に陥りやすいかがわかると、保護者や監視員の人は対応が遅れるケースを減らせますよね。
ぜひ、確認をしておきましょう。
【熱中症になりやすい人の特徴】
- 乳幼児
- 高齢者
- 持病のある人
- 病中病後
- 体調の悪い人
- 寝不足な人
- 疲労がたまっている人
- 二日酔いの人
という人は、コンディション的に熱中症のリスクが高いです。
事前にそういった人は把握しておき、頻繁に監視をしておくと良いですね。
【まとめ】熱中症は初期症状に気がついて速やかに対処を

本記事をまとめますと…
チェックリストをまとめると・・・
- 【軽度】
- めまい・立ちくらみ・顔のほてり・大量の汗・筋肉がつる・こむら返りなどの症状
- まずは、涼しい場所で衣服をゆるめて休みましょう。
- そして、身体を冷やし、水分(塩分)の補給をしてください。
- 対処をしても症状が良くならないような場合には、病院へ受診しましょう。
- 【中度】
- 頭が痛い(ガンガンする)、身体がだるい、力が入らない、吐き気やおう吐があるなどの症状
- 症状の強さに応じて、速やかに病院へ受診が必要となります。
- または、搬送を検討しても良いでしょう。
- 【重度】
- 意識障害がある、ひきつけ(けいれん)がある、まっすぐに歩けない、自分で水分を摂れない、体温が高いなどの症状
- 速やかに救急車を要請して指示に従いましょう。
- 【その他】
- 異常な発汗、逆にまったく汗をかかない、肌が赤い、熱い、乾燥している、皮膚の異常、言葉の話しにくさなど
- これも、熱中症の危険なサインです。
- 速やかに救急車を要請し、指示に従いましょう。
以上のように、熱中症は何よりも予防がとても大切になります。
しかし、熱中症になってしまったら、早い段階で適切な対処をすることが大切。
また、症状の重さに応じて、速やかに適切な対処をする必要もあります。
例えば私の看護経験の中で、早めに対処したことによって、軽症のうちに回復し大事に至らなかった方がいます。

そこで、私の体験事例を、
具体的にご紹介したいと思います。
\わたしの経験談/
私が企業内看護師として、労働者の健康管理や体調不良時の対応といった仕事をしていた頃のことです。
その職場は、高温環境で働く人達がいる工場でした。
安全や健康管理の一環として、熱中症の予防対策を第一に行っていました。
熱中症リスクの高い現場には、経口補水液やスポーツドリンク、塩飴や保冷剤(保冷パック)などの準備がされていました。
また、熱中症のリスクが高い現場以外にも、健康管理室(学校における保健室のような場所)でそれらの水分(塩分)を補給できたり、身体を冷やすアイテムなども用意されていました。
さらに、働く人たち全員に、こまめな水分補給や適宜休憩をすることの指導も徹底されていたのです。
ここからもわかるように、熱中症対策は物品の準備だけではなく、一人一人がリスクを認識し、正しい対処方法を理解しておく(情報共有や教育)ことが大切なのです。
それでも、高温環境で働いているうちに、体調が悪くなってしまう場合もあります。
その人は、なんとなくダルイ(倦怠感)ような、少し頭が重いような症状(頭重感や軽い頭痛)を最初は感じましたが、一瞬、キリの良いところまで仕事をしてしまいたいという思いが頭をよぎったそうです。
しかし、職場ぐるみで熱中症対策の教育に取り組んでいた企業でしたので、すぐに仕事の手を止め、周囲の協力を得て休憩(涼しい場所へ移動)して水分(塩分)補給をしました。
そのため、そのまま症状が悪化することなく、体調は回復し、大事に至らなかったという事例です。
熱中症の注意喚起だったり、予防方法の教育・情報共有があるからこそ、熱中症のリスクをかなり低く抑えることができるのです。
特に熱中症は、「このくらいの体調不良なら、もう少し頑張っても大丈夫だろう」と感じていても、急に症状が悪化してしまうこともあります。
けっして油断せずに、少しでもおかしいなと思ったら、涼しい場所で休憩をして水分(塩分)補給などの対処をしましょう。
一方で、エコや節電などに力を入れている会社は要注意です。
節約に力を入れるあまり、適切にエアコンを使用しないなどの環境下で、体調が悪くなりかけたという話もよく聞いたことがあります。
その方は、保冷剤を首元に使用しながら事務仕事をするなどして、自分で体調管理に努めていたそうです。
こうしたことは、職場だけではなく、家庭でも起こりうるのではないでしょうか??
熱中症は高温多湿や風通しの悪さなどの条件があると、誰でもなってしまう危険性があり、決して特別なことではありません。
以上のように、誰しもが熱中症に気をつける必要がありますが、今回ご紹介したチェックリストを参考にして、監視員や保護者は速やかに対応できるようにしておきましょう。
注意が必要そうな人に対しては、十分に予防対策をし、周囲からも配慮をしましょう。
特に、自分で気をつけることができない乳幼児や、自覚症状を感じにくい高齢の方への配慮がとても大切。
さらに、ここでもうひとつ、私の看護師としての体験事例をご紹介します。
私が勤めていた病院の話なのですが、高齢の患者さんが多い病棟では、時間を決めてこまめに水分補給を促すスケジュールを組んでいました。
そして、高齢者の方にとって、さらさらした水分は飲みこみにくいケースが多いんです。
むせ込んだり、誤って気管の方へ入ってしまったりと、そういった危険を未然に防ぐことが重要。
そこで、少しとろみをつけたスポーツドリンクや、ゼリー状にしたものなどを利用していました。
加えて、私の育児経験も少しご紹介します。
乳幼児の場合、大人用のスポーツドリンクではカラダの負担が大きいことがあるんですね。
そこで、子供用のスポーツドリンクも市販されていて便利ですので、子供専用の飲料を用意してあげることも検討してください。
また、夏場のオヤツには、ゼリーなどの美味しく摂取できる水分を利用し、こまめに水分補給をさせていますね。

いかがだったでしょうか??
熱中症においては、何よりも予防や対策・準備が大切になります。
今回の話を参考に、日頃から熱中症の予防や対策への関心を持って過ごしてください。
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