例年、どんどん暑くなる日本の夏。
世界的規模でみても気温は上昇傾向にありますし、熱中症のニュースが毎年のように報道されていますよね。
そんな中、「熱中症とは何か??」「原因をわかりやすく簡単に知りたい!!」という要望が高まっています。

そこで、看護師のわたしが小学生向けでも理解できるよう、
わかりやすく解説してみました。
熱中症とは何か??

まずは熱中症を正しく理解し、
予防対策をしていきましょう!!
毎年、夏前頃からテレビやニュースなどで特集されることも多い「熱中症」。
有名芸能人も熱中症になり、話題になっているのを目にして、気をつけているという人も多いでしょう。
そんな熱中症ですが、みなさんは熱中症について正しく理解していますか??
それでは、熱中症の原因についてのお話をしていきますね。
熱中症とは・・・熱に体が対応できない様々な症状のこと
単刀直入に熱中症とは、高温多湿な「環境」や、激しい労働・運動などの「行動」によって生じた熱に「からだ」が対応(適応)できないことで起こる様々な症状のことを言います。
つまり、真夏の炎天下でスポーツをしていると、とても暑いし、激しい運動で体温が上昇しますよね。
すると、この急激な体温の変化に体が対応できなくなって、起きてしまう症状が熱中症なのです。
「体温の変化に体が対応できない」ということは、冬でさえも室内でスポーツを一生懸命やっている最中に体温が上昇し、熱中症になることもあります。
なので、夏が一番熱中症になってしまう確率が高いとは言え、冬も油断はしてはいけないということですね。
人には体温調節する仕組みがある
さて、私たちのからだは通常、体温が上がると汗をかいたり、皮膚の温度が上がったりして、からだの熱を外気へ逃がして体温を調節しています。
気温や運動などによって体温が上昇しても、汗が蒸発したり皮膚の温度が上がったりすることで熱を逃がし、自然と体温調節がされているのです。
しかし、「環境」や「行動」、「からだ」の状態などの原因によって、この体温調節がうまくいかなくなることがあります。
その結果、様々な症状が起きてしまい、熱中症と呼ばれる状態となるんですね。
ここで、熱中症の主な原因には、大きく分けて3つあります。
それでは、この3つの大きな原因について、もっと詳しく説明をしていきますね。
熱中症の3つの原因をわかりやすく簡単に説明

主な熱中症の原因3つとは??
わかりやすくお教えします。
\大きく分けて3つ/
- 環境によるもの
- 行動によるもの
- からだの状態によるもの
〈原因①:環境によるもの〉
- 高温+多湿な室内や校庭、グラウンド
- 風が弱い・風通しが悪い
- 強い日差しがあたってしまう
- 熱波を浴びてしまう
- 閉め切っている部屋やエアコンが無い部屋
・・・など など、熱中症が起こりやすい「環境」として、気温が高い・湿度が高いといった点や、風が弱かったり風通しが悪かったりすることなどが挙げられます。
つまり、暑い屋外だけではなく、閉め切っている室内などでも高温多湿の環境となれば、熱中症は起こってしまうことがあります。
だから、冬でも熱中症対策に気をつけ過ぎることはないんですよね。
上記のような環境によって体温が上昇してしまいますが、湿度が高かったり風が弱かったりすることで、からだの熱をうまく外気へ逃がすことができず、熱中症を引き起こしてしまうのです。
〈原因②:行動によるもの〉
- 水分/塩分補給ができない、しない
- 激しい労働や運動
- 慣れない労働や運動
- 屋外での長時間の作業
- 高温多湿な環境(室内でも)での長時間の作業
・・・など も熱中症の原因として挙げられます。
そして、熱中症が起こりやすい「行動」として、激しい労働や運動などがあります。
上昇した体温をうまく調節できず、熱中症を引き起こしてしまうことがあるのです。
また、水分補給ができない状況であったり、休憩ができない状況であったりして、体温の上昇や体温調節のバランスが崩れてしまうことも原因のひとつ。
特に少し以前まで、厳しい体育の先生や部活顧問によるスパルタ指導で、水分補給や休憩なしのぶっ続け練習がニュースで取り沙汰されていましたよね。
そして、生徒が熱中症になってしまったと・・・
最近はめっきり減ったようには感じますが、指導者がいかに子供の体調を把握しながら練習時間をスケジュールするかはとても重要。
また、大量の汗をかくと、からだの水分だけではなく、塩分やミネラルも奪われます。
こうしてからだの水分が奪われたり、塩分やミネラルバランスが崩れると、様々な熱中症の症状が引き起こされることに注意しましょう。
加えて、熱中症というと、暑い屋外で起こるものと思いがちですが、高温多湿な室内でも熱中症は起こります。
「環境」のところでもお話したように、冬の閉め切った部屋などでも、高温多湿となれば熱中症となることがあるのです。
〈原因③:からだの状態によるもの〉
- こども(乳幼児)や高齢者であること
- 肥満の人
- 風邪や下痢など脱水状態の人
- 寝不足や二日酔いなど体調不良の人
- 持病のある人
- 栄養状態の悪い人
3つ目として、熱中症が起こりやすい「からだ」の状態があります。
特に、体温調節の仕組みが上手く機能しない人が挙げられます。
たとえば、こども(乳幼児)や高齢の方では、からだの体温調節の仕組みが未熟であったり衰えていたりして、熱中症が起こりやすくなっています。
また、脱水状態にある人や体調が悪い人、持病がある人や栄養状態が悪い人なども熱中症が起こりやすく、十分な注意が必要です。
熱中症対策について

つづいて、
肝心の熱中症対策のキホンをお伝えします。
それでは、ここまでお伝えしてきた3つの原因にもとづき、熱中症対策についても説明していきますね。
\3大対策/
- 環境の対策「暑さを避ける」
- 行動の対策「水分・塩分補給」
- からだの対策「乳幼児や高齢者」
1. 環境の対策〈暑さを避ける〉
屋外へ出るときには、日陰を歩いたり、帽子や日傘を使用したりなど、暑さへの対策を行いましょう。
また、室内でもエアコンを利用したり風通しを良くしたりと、室温や湿度の調節をしましょう。
服装もからだの体温調節を妨げない、通気性の良い素材がおすすめです。
2. 行動の対策〈こまめな水分補給・塩分補給〉
高温多湿の屋外や室内での長時間の作業・労働・運動などによって、たくさんの汗をかくと、からだの水分だけではなく、塩分やミネラルも失います。
そのため、水分補給のみでは、からだの塩分やミネラルのバランスが崩れ、熱中症の症状悪化を招くこともあります。
熱中症の対策では、水分だけではなく、塩分も補給することが大切なポイントとなるんですね。
水1リットルに対して、食塩を1~2グラム程度加えるのが目安です。
また、糖分を加えると水分や塩分の吸収が良くなり、運動や労働で消費したエネルギーを補給し、疲労の回復にも効果的になります。
手軽に利用することができる、スポーツドリンクや経口補水液などによって、水分や塩分・糖分を一緒に補給することもおすすめのひとつですね。
そして、水分を補給するときには、コーヒー飲料や一部のお茶など、カフェインが含まれている飲料では利尿作用が強くなりますので避けた方が良いでしょう。
塩分や糖分の補給には、塩飴などを利用することも手軽で便利です。
オススメ関連記事:
熱中症になったら食事や飲み物はどうするべき?正しい栄養補給の方法とは?

また、ビールなどのアルコール摂取には、
細心の注意を払ってください。
アルコールは利尿作用によって、飲酒した以上に尿として水分が排泄されてしまうことや、体内でアルコールを分解する際に水分が必要なことなどの理由から、水分補給には向いていません。
飲酒は脱水状態になりやすいため、注意が必要です!!
特に、小学生のお子さんと一緒に運動会に参加されるお父さん。
ついつい、ビールを飲んでしまい、お子さんと競技に参加するのは止めておきましょう。
せっかくの運動会で、お父さんが熱中症になってしまい・・・というのは凄くカッコ悪いですからね。
~こまめな水分補給とは~
一度に大量の水分を補給しても、多くは吸収されずに排泄されてしまいます。
通常は、コップ一杯程度の水分を生活に合わせて1日に8回程度、計画的に補給することが望ましいとされています。
また、のどが渇いてから慌てて補給するのではなく、のどが渇く前が理想的。
そういった意味からも、のどが渇いたときに一気にたくさんの水分を摂るのではなく、のどが渇く前からこまめに水分を補給するのがおすすめ。
加えて、摂取する飲料の温度は、体温に近い温度の方が吸収が良いでしょう。
ただし、飲みやすい温度のものでストレスなく水分補給をすることも、十分に水分補給をするためには大切であるという考え方から、好みの温度の飲料で良いともされています。
【熱中症になったら食事や飲み物はどうするべきか??】
3. からだの対策〈乳幼児や高齢者〉

小さいお子さんや、
おじいちゃんおばあちゃんのサポートは、
若い大人が率先しよう。
子供(乳幼児)の体では、自分でこまめな水分補給をすることが難しいため、保護者がこまめに水分補給をさせてあげる必要があります。
乳幼児では、過度なイオン飲料の利用や大人と同じスポーツドリンクの利用は、カラダへの負担が心配されていますので気をつけましょう。
手軽に利用することができる、ベビー用飲料なども市販されています。
また、高齢の方も脱水状態になりやすく、喉が渇いたときに飲むのではなく、時間を決めて計画的にこまめな水分補給をすることがすすめられています。
普段からの暑さに負けない体力づくりや、栄養バランスの良い食事がすすめられているとともに、寝不足や体調が悪いときには熱中症になりやすいことを念頭にして無理をしないことも大切です。
そして、糖尿病などの持病がある人は、熱中症になると持病の悪化を招く場合もあるため、主治医の指示に従って熱中症には十分に気をつけましょう。
乳幼児、高齢の方、持病によっては、スポーツドリンクの利用がかえってからだに負担をかけ、状態の悪化を招く場合もありますので、主治医の指示に従って水分補給を行うことが大切です。
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【まとめ】熱中症は3つの原因によって引き起こされる

本記事では、熱中症の原因についてお話をしてきました。
「環境」や「行動」、「からだ」の状態といった主に3つの原因によって、からだの体温調節の仕組みが上手くいかなくなり、どんどん熱が溜まって・・・からだのバランスが崩れていきます。
これが原因となり、様々な症状が引き起こされてしまうのが熱中症なのです。
そこで、からだのバランスが崩れてしまわないように、
- 屋外・室内ともに高温多湿に対する「環境」への対策
- 衣服の工夫やこまめな水分・塩分補給などの「行動」
- 子供や老人の「からだ」のサポート
といった熱中症対策には十分に気をつけましょう。
特に、こども(乳幼児)や高齢の方、体調不良や持病のある方などなど、熱中症を起こしやすい「からだ」の状態の人への配慮も忘れないように。
以上、熱中症の原因について、看護師のわたしが簡単にわかりやすく説明をいたしました。
ぜひ、熱中症対策の参考にされて、スポーツやレジャーなどを安全安心で楽しまれてくださいね!!
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