
看護師のわたしが、
素人にもわかりやすくお届けします。
毎年夏が近づいてくると、ニュースなどでも「 熱中症 」についての特集を目にします。
そして、例年のごとく、どんどん盛んに注意喚起が行われていますよね。
屋外だけではなく、室内でも起こる熱中症は、私たちにとって誰にでも起こりうる身近な危険です。
そんな熱中症ですが、熱中症を起こしてしまった当日だけではなく、翌日にも体調不良が続くこともあるんですよね。
水分補給など、自分でできる応急処置をして回復することができたと思っていたものの、
翌日になっても「いつもと少し違う体調」に気がつく・・・
といったことがあります。
たとえば、
- 体がだるい
- 頭痛がする
- 吐き気がある
といった症状です。
以前に、熱中症の初期症状について書きました が、
今回は、熱中症になってしまった翌日の症状と、
取るべき対応についてお話をしていきます。
熱中症になったら翌日も油断しちゃダメ!!

翌日に元気が戻ったとしても、
気を抜くのは命取りです。
熱中症になった翌日の症状
まず、熱中症には色々な症状があります( 詳しくはこちら )。
そして、その症状が変わりやすい(=進行しやすい)という特徴があるんですね。
通常の体温だと思っていたところから急に体温が高くなったり、軽い症状だと思って油断していたところから急激に症状が進んだり・・・というふうに注意が必要です。
後ほど詳しく解説しますが、「風邪の発熱」と「熱中症で体温が高くなった状態」とはまったく別の身体のメカニズムなんです。

そのため、細心の注意が求められるのです。
ですから、もしも昨日、
あなたが熱中症になった or 家族や友達などが熱中症になった
ということで、今こうして調べている場合は念のため病院で診てもらうべき。
「 熱中症は病院に行くべき?何科を選ぶべき?症状別で違うの? 」の記事でも書きましたが、
- 成人は内科(一般)
- 小児は小児科
に問い合わせてみましょう。
そして、「体温が少し高くなったが、その日のうちに平熱に戻った」などといった問題なさそうな場合でも、熱中症後の身体は抵抗力が低下しています。
さらに、体力や身体の機能が十分に回復していないなど、再び熱中症を起こしやすい状態にもあります。
特に、熱中症によって体温が高くなっていた場合には、体温調節機能などが低下して危険な熱中症となっていた場合もあります。
翌日、すでに体温が平熱に戻っている場合でも、熱中症の症状は変化しやすいこと。
加えて、身体の機能や抵抗力が十分に回復していないことなども考え、翌日からすぐに無理をするようなことは避けましょう。
言わずもがなですが、病院への受診も強くオススメしたいです。
ここで、熱中症の翌日にも、熱中症と同様の症状が見られる場合があって、
- 頭痛やだるさ(倦怠感)
- 吐き気やおう吐
- その他色々な自覚症状(不調)
こういった自覚症状がある場合には、熱中症の回復が十分ではない or もしくは胃腸機能が低下している という場合もあります。
やはり、もし昨日、熱中症になったけれど、自分で応急処置をして大丈夫だった・何とか耐えられた場合でも油断は禁物。
熱中症になったら休養や水分補給 さえすればOKだと決して思わず、「翌日になっていても回復が見られない」「何かがおかしい時」は当然のこと、健康そうにみえても無理をせずに病院を必ず受診しましょう。
熱い日の夜間に熱中症になっていることも
ちなみに、熱中症が起こりやすい「環境」となっている場合には、室内でも熱中症は起こりえます。
いわゆる熱帯夜など、熱い日の夜間でも気が付かないうちに、熱中症を引き起こしている場合もあるんですよね。
翌日(朝)起床したときに、熱中症の〈軽度~中等度〉の症状 を自覚した場合には、無視をしてはいけません。
やはり、症状の強さによっては、病院への受診(場合によっては搬送)も必要になってきますので。
また、〈重度の症状〉 である人を発見した場合には、速やかに救急車を要請する必要があります。
熱中症予防や軽症の応急処置に水分(塩分)補給を
そして、熱中症でもっとも大事なのは、そもそも熱中症にならないこと。
未然に防ぐことこそが、何よりもベストですよね。
でも、どうしても熱中症になった場合、応急処置は必ずスピーディーに行いたい。
自分で水分補給ができる場合
軽症から中等度の熱中症(詳しくはこちら)では、自分で水分を補給できるならば早めに応急処置をしましょう。
そして、まずは涼しい場所へ避難し休憩することや、食塩水を補給することが大切です。

ここで、食塩水は、
自分でも手軽に作ることができます。
熱中症では、身体から水分だけではなく、塩分も失われています。
だから、単に水だけを摂取していると、塩分やミネラルバランスを崩してしまい、熱中症の症状を悪化させてしまう場合もあります。
↑の説明を目安にして食塩水を作り、水分と同時に塩分も補給しましょう。
また、糖分を加えることでエネルギーの補給、疲労の回復にも効果的となり、水分や塩分の吸収も良くなります( 詳しくはコチラ )。
もちろん、市販のスポーツドリンクや経口補水液を利用することも手軽で便利ですね。
ただし、自分で水分を補給することができない場合や、
吐き気・おう吐がある場合には、
無理に水分を飲もうと(または無理に飲ませようと)せず、
病院へ受診しましょう。
関連記事:
予防にはこまめな水分補給
そして、熱中症になってしまう前に、こまめに水分補給をして予防をすることが何よりも大切です。
水分補給で効果的に熱中症を予防するためにも、前述した食塩水や、市販のスポーツドリンク・経口補水液などを利用すれば、水だけでなく塩分も補給できます。
ここで、予防における水分補給では、のどが渇いたときに一度にたくさんの水分を摂るのではなく、計画的にこまめに水分を補給することが大切です。
⇒ 熱中症対策の水分補給についてもっと詳しく知りたい人はこちらへ
「熱中症の体温上昇」と「風邪の発熱」は違うのか??

熱中症と風邪の発熱は異なります。
ここで、「熱中症による体温上昇」と「風による発熱」の違いをわかりやすく解説しておきますね。
熱中症の発熱とは??
まず、熱中症は、重症になってくると体温が高くなることがあります。
重症化すると、40℃を超える高熱となる場合もあり、いわゆる熱射病の状態となります。
ここで、通常私たちの身体には、体温を調節する仕組みが備わっています。
しかし、熱中症になってしまうと、体温を調節する機能が失われている状態となります。
つまり、これでは、体温が高温となっても調節機能がはたらかず、40℃以上(時には42℃以上)の高熱を引き起こすことがあるのです。
風邪の発熱とは??
一方で、風邪の発熱では、風邪の原因となるウィルスなどと戦うための自然な反応なのです。
私たちの身体の免疫反応であり、白血球などの免疫細胞が活動したり、ウィルスなどの働きを弱めたりしてくれますね。
もちろん、体温が上昇し過ぎると生命の危険が脅かされるので、風邪でも体温上昇に油断はできません。
熱中症の発熱で生命の危険も!!
そして、ウィルスなどによる風邪の発熱では、ウィルスが排除されると身体の熱を下げるために発汗が起きます。
これは、解熱するための体に備わっている機能ですね。
しかし、重症化した熱中症では、体温調節の機能が失われており、体温を下げることができない場合があるんですね。
時には、生命の危険が生じるとされる42℃を超えるような高い体温にもなりますし、ただちに救急搬送が必要なケースもあります。
まとめ~熱中症の翌日も油断は禁物

いかがだったでしょうか??
ここまで、熱中症についての基礎知識や、翌日の状態についてのお話をしてきました。
熱中症ではことさら、体温調節機能のほかに身体の様々な機能や抵抗力がダウンしてしまい、体調不良を起こします。
さらに、翌日になっても、頭痛やだるさ(倦怠感)、吐き気などを自覚することもあります。
やはり、再び熱中症になりやすい身体の状態になっているんですね。
何はともあれ、熱中症で体温が高くなった場合には、とにかく、万が一を考えて病院を受診すること。
応急処置やしっかりと休養をして回復できたとしても、たとえ翌日に不調が見られない場合でも、変にカッコつけずに病院を受診しましょう。
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